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君が世界のはじまりのnagaoKAshunPEiのレビュー・感想・評価

君が世界のはじまり(2020年製作の映画)
2.5
「食事もして、服も買って、デートもして、就職もする」

人生の全てがそのなかで完結するショッピングモールが田舎の閉塞感を象徴しているかのようだ。
何もない、ここではないどこかに行きたい。10代特有の今いる場所からの逃避欲求は、その場所や外界に対しての無知であることの証左でもあり、想像力の欠落とも見てとれる。
同時に外界への無知は、自分ではない他者への想像力の欠落にも繋がり、隣にいつもいるあいつのことは何でもわかっている(つもり)という状況に陥る。
いつまで平成を擦り続けるのかという辟易と終始既視感に苛まれることもあるが、隣人や友人に想像力を働かせ、目を向け寄り添うことこそが、この気が狂いそうな世界から一歩抜け出すための始まりなのだろう。
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