回想シーンでご飯3杯いける

カーズ2の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

カーズ2(2011年製作の映画)
2.4
冒頭から30分間、一切のレースシーンが無くて、車によるスパイ映画が繰り広げられるのが辛い。「カーズ」の良さは、まずレース映画として車好きをしっかり魅了する基本を大切にしていた事(制作陣の発言にもある)にあったと思うんだけどなぁ。

「カーズ」のもうひとつの挑戦である車の擬人化は、既に前作である程度完成されていたので、ここに来て更にそこを強調する必要があったようには思えない。しかも、今回のメーターは、ダメ友としての描き方が露骨過ぎて、大人の鑑賞には耐えられないし、子供に見せたいと思えるほど良い話にもなっていない。

日本、フランス、イギリス、と舞台を変えていく展開は華やかで良いし、日本の描写も適度にディフォルメが効いていて面白い。そうしたポップさを取り入れた車映画に仕上げれば良かったのにと思う。

この時期のピクサーと言えば「レミーのおいしいレストラン」や「トイストーリー3」等、傑作を続々と公開していた頃であっただけに、何故この「カーズ2」だけが脇道に逸れてしまったのか? 前段として大量に作られていた「メーター」のショートフィルムで感じた悪い予感が的中したかも。