海老シュウマイ

リスタートはただいまのあとでの海老シュウマイのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

自分探しとほっこりする田舎、BLという特定層にドンハマりしそうなマーケティング。そのいさぎよさが一周回って心地良くなってきた。

このエロさを全く感じさせないキレイキレイなキスシーンって、少女コミック原作の青春恋愛映画そのもので、
恋愛感情を抱く過程も理由も実はよく分からなかったり、妙齢の女性をほとんど登場させないのは、学園モノで大人を出さないのと同じだったり、普遍なフォーマットってあるよなーと気付かされた。そしてそのフォーマット自体が大好きなことも再認識させられた。

だからこそ、BLでも全然観れて、キスシーンは綺麗だったしバックハグも良かった。

BLの葛藤や苦悩、周りとの軋轢が全く描かれないのは、もともと前提を共有できてる特定層向けだからなんだけど、これぐらい自然に溶け込む感じは嫌いじゃなかった。LGBTを扱うからって全員、それを悩ませる必要はないとさえ思えた。


ただ、これ主人公の片方、あるいは両方を橋本愛や佐津川愛美、夏帆あたりにしても成り立つか?と言われれば厳しい気もするし、そんなに面白い話だったか?って気もする。

田舎の地方私鉄が出てくるのは大好き。でもラスト、リスタートした二人、トンネルから抜け出す電車。あぁ…まぁそうなんだろうねぇ…わかりやすい表現ありがたい…

田舎に残る選択が良きこととも思えないし、家具職人になるということも、男性性ならでは、な気もしてしまい、

やっぱりBLありきなお話だし、それがジャンル映画の限界なのかと痛感させられてしまった。

ジャンルにハマらない人が観た「虹色デイズ」や「アオハライド」ってこんな感じなのか…