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メイクアップ・アーティスト:ケヴィン・オークイン・ストーリー/ケヴィン・オークイン:美の哲学のnanaのレビュー・感想・評価

3.5

左右対象の安定感のある美
解りやすい安定感の無い不思議な魅力

色気を感じ、人が不思議と惹き付けられるのは後者の方だと思う。

1990年代時代の寵児となったメイクアップアーティスト ケヴィン・オークイン。
当時の彼を追ったドキュメンタリー。


華やかな功績と名声
その影にあった壮絶な過去。

数々のスーパーモデルやセレブに絶大な信頼を集め必要とされた天才。

「美しく見せる」
「従来を打ち破る」
スタンダードでノーマルなベースメイクに拘り、そこから独自の世界観で流行を生み出していく。

「彼の前でしか座らない」
ナオミ・キャンベルの言葉が印象的だった。

明るく人懐こく、子犬のような笑顔にふと覗く悲哀。

彼の抱えた過去と性。
この翳りが類まれなる才能を更に引き出していたのかもしれない。

多様性の起用

女性の感性と男性の感性
両方を持つアーティストには絶対敵わないという同業者がいる。

こんなに求められこんなに苦しんだ天才はなかなかいないだろう。

集まる時
離れていく時

抱えたものが多すぎる。
ドラマティックな人生は実話を超えたような内容だ。

テンポがよく見応えのある作品です。


10月14日一般公開です。
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