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ジョン・ウィック:コンセクエンスのナーオーのレビュー・感想・評価

5.0
シリーズ最高傑作にして、本年度No.1のアクション映画!!!

シリーズが追うごとにアクションがますます進化していく『ジョン・ウィック』シリーズ。本作はまさに集大成的な一本でした。

169分とシリーズで最も長尺な上映時間ですが、これでもかとアクションを詰め込まれ、本作の前半1時間だけでも1、2、3作目の全編に匹敵くらいのアクションを見せてくれます。

まずは実際に大阪でロケしたと思われる
"大阪コンチネンタル"での戦闘。本当は3作目『パラベラム』でマーク・ダカスコスが演じた寿司職人を演じるはずだったのですが、撮影前の怪我が原因で出演見送りに… しかしチャド・スタエルスキ監督はどうしても真田広之に出演して欲しかったそうで、わざわざ脚本に真田広之用の登場人物を付け加えたそう。

大阪コンチネンタルの支配人を演じる真田広之のキレッキレのアクション。ホテルのエントランスを大きく使ったゴージャスなアクションの連続。ここだけでも1〜3作の全てのアクションを上回ると思います。

また真田広之だけではなく、ドニー・イェンまで超美味しい役で出演。アジアを代表する2代アクションスターが同じ画面にいるという自体が奇跡。ドニーの役柄は『ローグ・ワン』に似ている、いわゆる座頭市。本作はそれに加えてブルース・リーやチョウ・ユンファのようなハードボイルドな雰囲気を取り入れており、まさにドニー・イェンのナルシズムが炸裂し、シリーズ中でも最高にかっこいいキャラクターでした。

他にもちょい強雑魚程度だと思いきや、意外なほど強いマルコ・サロールやその風貌にまずは驚くスコット・アドキンス。その体型や役回り的にアクションは控えめかなと思いきや、得意の蹴り技をしっかり披露。しかも強敵として登場するなど、スタエルスキ監督のスコット・アドキンスへのリスペクトを感じました。

最終舞台となるパリ。凱旋門で大量の車が行き交う中での銃撃戦からの焼夷弾であるドラゴンブレス弾を装填したショットガンを撃ちまくる室内戦。それを現実では絶対にありえないカメラワーク。個人的にアリ・アスターの『ヘレディタリー』を連想しました。特殊な俯瞰ショット、しかも長回しという今まで観たことがない、超新鮮かつ、めちゃくちゃ変わったアクションシーン。ガンアクションはこれまで何度も観てきたけど、映画におけるガンアクションの歴史をまた更新したと思います。

上映時間はシリーズ最長の169分。
とはいえ俳優陣一人一人の圧倒的な存在感、そして畳み掛けるアクション。こんなに短い169分ある⁈ってくらいあっという間でした。

個人的には『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』を超えて、本年度No.1のアクション映画になりました。

第1作から監督を務めてきたチャド・スタエルスキ。今後の予定としてはトレヴェニアンの『シブミ』やトム・クランシーの『レインボーシックス』の映画化。

そしてあの『ゴースト・オブ・ツシマ』の映画化も予定中。個人的には本作にも出演した真田広之を起用欲しい!!
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