つかれぐま

ジョン・ウィック:コンセクエンスのつかれぐまのレビュー・感想・評価

4.1
23/9/28@シアタス調布❶

コロナ明け復帰一本目が、今年自己最長の169分という階段222段の如き試練。でも過去作が苦手な人にも薦めたい。ここまで来たら、最後まで付き合わないのは損かも。

個人的にこのシリーズとの相性は悪く、ジョンが闘う理由が何だか良く解らなくなった2&3作目は全く好きになれず。本作もパスの予定だったけど、評判の良さとムービーウオッチメンのガチャが当たったので観に行った次第。

序盤の大阪パートこそ、日本描写の面白さと邦人俳優二人の活躍で楽しめたものの、中盤のベルリン(対金歯男)パートは、毎回登場するレイブ@クラブシーンに正直飽きており、猛烈な睡魔に襲われた。またダメかなといやな予感。いつも思うのだが、あのレイブしている現地の若者たちは何で逃げずに踊っているんだろうか。閑話休題。

だが本作は違った。
終盤のパリパートで一気に盛り返す。決闘の詳細を決めるカードゲーム?から緊迫感が違う。ウィンストンとキングに事実上の「別れ」を告げるジョン。いよいよ長い長い闘いが終わるのだと期待感が膨らむ。

1時間近い死闘は最高だった。
やっぱり時間&空間のゴールと制約が設定されると、アクションは俄然面白くなる。だらだら闘っていた過去作にない引き締まった展開が良い。深夜のDJミックス(黒く塗れ!)に乗って繰り広げられる市街戦。ワンコをめぐる一作目の伏線回収。222段の階段をめぐる死闘は、闘いの過酷さを3次元で見せる素晴らしきアイデア。「昇って➡落ちて➡昇って2回同じことをやるのがたるい」という感想も目にしたが「そこがいんじゃない」。

「メイワク カケテ スマナイ」
大阪でジョンが、わざわざ日本語で言ったこの台詞がとても大事。これまであまりにも自己中心だった彼が、一段成長したことを示す台詞だ。だからこそ、最後にジョンの望みがああいう形で叶った訳で、潔くコンセクエンス(報い)を引き受けた姿が心に残った。

シリーズ全体を愛するまでには至らないが、本作のラスト1時間を深く味わうために、過去作を見続けてきて良かったと思える完結編だった。ポストクレジットも「コンセクエンス」なので見逃さないように。

キアヌ・リーヴスお疲れ様。
次はどんな世界を見せてくれるのだろうか。個人的にはサンドラ・ブロックとの再共演が観たいな。