べー

ジョン・ウィック:コンセクエンスのべーのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

劇中のコンチネンタルホテル大阪に設置されている「初志貫徹」のネオンサインの通り、一作目から作風が全くブレないシリーズ。とはいえアクションは恐らくシリーズ最多。本作は主人公が木に巻き付けたロープを殴るという謎のウォーミングアップをしているところから始まる。そのあとは冒頭の修行の地味さとは裏腹に、ほとんどノンストップでヨルダンの砂漠、大阪、ベルリン、パリと世界を周りながらド派手な殺し合いが展開される。
相変わらず身の回りにあるものは何でも手に取り、文字通り死にもの狂いで奮戦するジョナサンには見てるこちらの息が詰まる。群がる敵をやっと全滅させたと思った刹那、カメラを振ると画面の奥から新しい敵が押し寄せてくるという無限地獄。序盤の大阪で既に息が上がっていて、こんなことであと2時間半生き残れるのだろうかという不安をよそに、無限のスタミナで戦い続けるのがなんともむごたらしい。

アクションシーンを最優先で上映時間を埋め尽くした結果か、登場人物のセリフは究極まで削られている。しかし皆普段から殺し屋らしく無口な性格なので慣れているのか、少ない言葉数で意思疎通をこなしてく様はテンポが良くクレバーさを感じて小気味よい。

自由の為に、そして亡き妻との思い出の為に、世界中で戦い続けたジョンの忌の姿はなんとも美しい。戦いが終わったことを示すかのように、チャプター2から肌見離さず身につけていた腰の武器をバラバラとその場に落としながら階段を下り、その場に座り込んだのち静かに倒れるラストを見て、心の中でつい「やっと終わったね」と呟いてしまった。
べー

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