Smoky

ザ・ファイブ・ブラッズのSmokyのレビュー・感想・評価

ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)
3.9
名匠スパイク・リー監督の最新作は、強烈なメッセージを軸に、複雑な構成と、様々な映画ジャンルの要素と、溢れんばかりの『地獄の黙示録』愛をブチ込んだ150分超えの意欲作。「すべての映画会社に断られた末に、唯一サポートしてくれたNetflix」の独占作品。

レビューの多くが「BLM運動が起こっている今こそ観るべき映画!」という言葉に溢れていて、それはそれで間違っていないんだけど、本作はBLM運動が起こる前から撮影が開始されていた映画だし、もっと言えば、彼は、31年前の『ドゥ・ザ・ライトシング』からずっとこういった映画を作り続けているワケで、にも関わらず、同じことばかりが繰り返される現実があるだけ。

単なる怒りや浅薄な正義感ではなく、何度も無力感や焦燥感に苛まれながらも(敵は相手だけでなくアホな身内にも多いのだ)「理性的にちゃんと怒り続ける」ことの大変さに考えを及ぼすべきなんだと思う。
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