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哀愁しんでれらのmushiのネタバレレビュー・内容・結末

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

素敵な鬱映画だった。

最初のシンデレラのような学校でのシーンが忘れられない。
幸せなはずなのにどこかちぐはぐで不穏な空気はあるけどこのまま3人で幸せになっていってほしいと思った。

シンデレラだけでなく、この家族は童話をモチーフにしているのかなと思った。
小春は不思議の国のアリスかな。大悟を助けたことで迷い込んでしまったように見える。違和感を覚えるもののもう抜け出せなくなっていったのかな。うさぎの剥製を壊したときにはもう元の世界には戻れなくなってったように感じた。
ヒカリは赤い靴かな。踊り続けなければいけなかった少女と同じように嘘をつき続けていた。お友達のお通夜にも赤い靴を脱げなくてきっと脱いでいたら嘘をつくのやめてた未来もあったのかなって思うと辛い。
大悟はなんだろう…。妻に秘密の部屋見つかって殺されちゃう童話があったと思うんだけど名前がわからない。それかな。
三人は童話をモチーフにしてるけど童話と違うのは童話のような幸せにはなれなかったことが悲しくて辛いなって思った。
なぜそうなったか本人たちが分かっていないから墜ちていってしまったんだな。

入籍したときの服装が印象的だった。幸せの絶頂でミュージカルみたいな楽しさと空の色がきれいで不気味だった。

展開も読みやすくわかりやすい伏線でラストは容易に想像出来た。でもそれが嫌じゃなくてみていて楽しかったと思う。

ラストの演出的に妄想なのかなとも思った。もしくは実行は出来てないのかなって。やっと三人で家族になれて良かったと思う。

いいお母さんって人によるけど小春はヒカリにとってのいいお母さんになれて良かった。どんな形でも。

あんな母親にはなりたくないと言っていた母親になって自暴自棄になって児相のときの親子にあって背中を押す姿はみていていたたまれなかった。なりたくないもなりたいも強く思いすぎることでどんどん近づいていって。大悟は小春のおかげで叩かなくて済んでよかった。結局自分の母親しか見てないからそうなっていってしまうのかな。

伏線だと思われるところが全て回収されてないから想像できて面白い。ただモヤモヤする。もっかいみたい。
・結婚式に赤のドレス?
・familyの小春の顔を塗りつぶしたのだれ?
・指輪は大悟のを小春にはめたの?ぶかぶかだったよね??
特にこの3つが気になった。

とっても素敵でした。色々雑なのは気になるけどそれを含めて好みでした。
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