takanoひねもすのたり

哀愁しんでれらのtakanoひねもすのたりのネタバレレビュー・内容・結末

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

幼い頃に母親に捨てられ父子家庭で育った小春(土屋太鳳)「あんな母親になるまい」と思いつつ育ち現在は児相の相談員。 
祖父が倒れ父親が運転する車が事故を起こし家屋が火事になり彼氏の浮気現場目撃という怒涛の不運に見舞われた日、泥酔していた大悟(田中圭)を介抱したことで、とんとん拍子に玉の輿に。前妻の娘のヒカリ(COCO)にも懐かれ新婚生活は順調に行くかと思われたが……というサスペンス。

童話のシンデレラ(灰かぶり姫)は王子と結婚してめでたしめでたしでend。
この作品の前半は童話の通りのシンデレラストーリー、しかし後半は王子と結婚後のお話。

最近たまたま『毒になる親』という本を読んでいたのですが、この中で紹介されている特徴に大悟が当てはまりまくっていて、このタイプ……見抜けないと泥沼なんだわ……と思った次第。

娘ヒカリの豹変は、分からなくはないかも。
腸にえかえるほど(クソガキ)と思いつつ子供も親を試すこともある。
特にヒカリのような頭が良くちょっと扱いが難しい子供であれば尚更。

結婚したまでは幸せの絶頂だったものの、大悟の妻になった途端、小春は段々と大悟に影響されてゆく。
ヒカリを第一に思い、自分を捨てた母親のようにはなるまいとした結果、彼女の思考は大悟に近くなってゆく。

そしてあの驚愕のラスト。

壮観でした。廊下や階段に横たわる死屍累々の生徒達。
大悟と小春とヒカリは教室で授業をしていて楽しそう。
恐るべしシンデレラの計画。
モンペどろこじゃないな……笑

『かしこい狗は、吠えずに笑う』監督だったと知って、結末のダークさに納得がいった。