MCATM

ティーンエイジ・スーパースターズのMCATMのレビュー・感想・評価

4.0
俺はスティーブン・パステルをロールモデルに生きてきた(俺の中には、二人のスティーブンがいるというわけです。PavementとPastelsね)ので、本作が彼から開始するのをとても嬉しく思った。ちっとも様子の変わらないスティーブン。それだけじゃなく、あのグラスゴー〜スコットランドシーンの雄が次々に登場して痺れる。アラン・マッギー、ダン・トレイシー、ジュリアン・コープといった周辺の人々から、BMXダグラスや、TFCノーマン(今一番かっこいい)、スープドラゴンズのショーン(ルックスよ)や、ジザメリ、ショップアシスタンツとか。そうなってくると、ボビー・ギレスピーの不在についても、必要以上に考えてしまうよね。

けど、客観的に見ると、この物語の主人公はユージン・ケリーなんだろうな。

驚くほど自己評価が低く、ニルヴァーナのカート・コバーンの熱いリスペクトを受けるという思わぬ幸運から成功に手をかけるもチャンスを掴みきれず、今はすっかり諦念の中、落ち着いているように見えるユージン。それを「ふふふ…」と見守る俺たちを前に、ヴァセリンズ「Son of a Gun」が鳴るんだよ!

「懐かしの名曲ですなあ」とか、そういうなまっちょろい響き方とは程遠い。もう一方のフランシスが、TFC〜BMX〜スープドラゴンズ周りをちょろちょろしていた女の子の完璧な歌声が、文字通りエヴァーグリーンに響く。高揚感にどうにも落ち着かなくなり、帰ってからずっと聴いてる。

俺の、あなたの、心の中にユージン・ケリーがいることを誇ろう。いなかったとしても、まだ間に合うよ。

https://www.youtube.com/watch?v=B0qIARknhMg
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