ShinMakita

アオラレのShinMakitaのレビュー・感想・評価

アオラレ(2020年製作の映画)
1.6
ニューオーリンズ。美容師のレイチェル・フリンは、夫と離婚調停中の身。思春期の息子カイル、そして実弟のフレディとその彼女と戸建住宅に住んでいるが、夫から家を明け渡すように要求されイラついていた。そんなある朝、寝坊したレイチェルがカイルを学校に送ろうと慌ててクルマを走らせると、運悪く渋滞にはまってしまう。イライラも頂点の中、彼女は前のSUVが青信号なのになかなか発進しないのについムカついて、派手にクラクションを鳴らしてしまった。それが地獄の始まりであることも知らず…


「アオラレ」


以下、ナンバーは711NBR(ネタバレ)。



➖➖➖

ラッセル・クロウが狂気の運転手を演じたサスペンス。クラクションを鳴らされ、そのことをレイチェルから謝ってもらえなかったことでブチキレしてしまった男トムがラッセルさんね。よく「激突!」と比較されているけど、根本的に違うのが、追ってくる犯人の「顔」が見えている点。トムは、自動車工場を怪我でクビになり、離婚で全てを失った男。前日にやらかしたある事件で警察に手配されている身。それだけで追われる側からするとちょっと有利。「激突!」の主人公は、トラックに命を狙われていることを誰にも信じてもらえないという絶望感があったけど、本作のレイチェルは、あっさり警察に信じてもらえてます。が、冒頭のタイトルシークエンスで警察でのリストラが報道されていて…つまりレスポンスタイムが伸びていることから警察がアテにならないという前提があるんですね。このあたりは巧いところ。巧いといえば、スマホのセキュリティ設定を面倒くさがったり隣人が新車買ったりというシーンがのちに生きてきたり、レイチェルが美容師だという設定がラストの対決に生きてきたりと、伏線の散りばめが上手なのも良かったですな。

ラッセル・クロウ、体型はちょっとアレだが、顔力は健在。なかなか凄みがありました。ハードル下げて臨めば、まずまずの満足感。


…あと余談だが、「激突!」フォロワーの中では、名取裕子の「夜のストレンジャー 恐怖」をオススメ。あおり運転トラブルのニュースもしょっちゅう流れるし、日本でも身近な恐怖だよね。
ShinMakita

ShinMakita