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ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜のこのレビュー・感想・評価

3.5
アイルランドの田舎に住む2人の男女がユーロビジョンという、世界中の優れた才能を持つ歌手が集結する歌唱コンテストに出場する物語。

レイチェル目当てで前々からチェックしており、鑑賞。41歳とは思えない美しさ。ただもしレイチェルが出演してなかったら正直この評価も危うくなるくらい単調なB級映画。

しかし歌唱コンテストを題材にしているだけあって、音楽のチョイスは一流だった。ステージだけでなくシングアロングの一体感と高揚感はミュージカル要素も含んでおり臨場感に溢れていた。

また終始貫徹してレムトフがヒールとして魅力的であったし、最後には素直に拍手を送れるという点で時にはラーズよりも好感度が高く感じる箇所も多々あった。アイスランドの決勝進出を共に喜ぶシーンは、たとえシグリットを我が物にしたいという思いから起きた行動でも、その喜びに嘘はないように見えたし、野暮な真似をせずに己のモットーを貫くキザな敵としてのキャラが確立されていた。

試合に負けて勝負に勝つという結末はだいたい読めていたが、こういうベタなフィナーレも悪くはないようにも思える。

ただ1度諦めてアイスランドに帰ってきたラーズを再び決起させるきっかけがさすがに弱すぎた。もっと劇的に彼を震えたたせ、再び夢への挑戦を思い起こす物語の転換点となるきっかけが欲しかった。漁船のシーンではイマイチ物足りない。

最後にアメリカ人がちゃっかりアイスランドのバーに歌を聴きにきてるところと、ヤォヤォディンドンを演奏する際の序盤との意気の変わりようがけっこう好き。世界を股に掛ける一流のシンガーと認めたうえでヤォヤォディンドンをリクエストする。客は皆「彼らの」ヤォヤォディンドンを聴きたいと、そう考えを変えたのだろう。

レイチェル出てなかったら3.3~4くらい。ちなみに1番好きなシーンは空想の雪山でのプロモーションシーン。あと作中歌のダブルトラブルはリズミカルかつクールな仕上がりでかなり好き。
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