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裏窓のこのネタバレレビュー・内容・結末

裏窓(1954年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

70年前の映画とは思えないレベルのミステリー作品。しかも舞台は自室の中のみで完結、題名通り裏窓を通して見える情景のみを認識したうえで展開されていくという新感覚の趣向。

今も尚その設定とシナリオに古臭さを感じさせないのは流石ヒッチコックと言ったところだろうか。最初から犯人と犯行方法が分かっていても、決定的な瞬間を抑えるまでの過程は緊迫感があって面白い。

子犬を殺された住人の「なぜ私達は隣人同士なのにこれほど互いに無関心なのか」という叫びは現代を生きる人間にも思い当たる節があるのではないだろうか。

最後の10分間は物凄く緊迫感を感じられたし、全容が明らかになってもなおあれほどまでに恐怖を煽ることができるのはすごい。

最後の方まで本当に全ての謎がジェフの目論見通りなのか確信が持てないのもまた面白い。実は根本の部分からジェフのミスリードの可能性もある、などと一時も気を抜けずあらゆるケースを推定してしまう。

でも最後はちゃんと他の住民も出てきて事態の収束に尽力してたのは、物語中盤からの変化として良い映え方だったかな。
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