このレビューはネタバレを含みます
綾野剛がイケすぎててつらい。
チンピラからヤクザに転身して、クラブにあらわれるシーンのスーツ×サングラスにひたすらニヤニヤしてしまった。
特段綾野剛ファンでなくてもこうなるってことは、綾野剛ファンはこれ観たら病気にでもなるんじゃなかろうか。
舘ひろしはどこまでも舘ひろしだし、市原隼人はいつだって市原隼人だ。
ヒロイン役が尾野真千子ってのがまたよい。
あー、尾野真千子さんがのちのち姉御になってくパターンねーあってるあってる、と思ってたら全然違った、笑
昔は墨が入っててもふつうに銭湯に入れたんだな。
ガラケーからスマホに、黒塗りのセダンからプリウスらしきハイブリッドに変わるヤクザの変遷。
本物の家族を手に入れるため、居場所だった擬似家族を手放す。だけど、すべてを捨ててもいい、ただ一緒にいられるだけでいいと願った家族や退屈なほど平凡な生活は、するりと手からこぼれ落ちて。
社会で生きれなかった末にたどり着いたヤクザの道でいままでしてきたことの代償なのか…。
ヤクザに人権なんてない。みんなきっと、自分の手の届く範囲の幸せを壊したくなくて、だからこそヤクザが排除される、それもわかる。
ヤクザや暴力団その他、人を傷つける人たちを肯定する気はないけど、不器用にその時を必死に生きて自分の居場所がそこしかなかった人たちなのかもしれん。
そして、幸せになりたくて、大切な人のそばにいたくて、そう願う同じ人間なんだよな。
警察がヤクザからお金をもらって都合よく動くってのも社会で。何がきれいで何が汚いかなんてわからんよな。
つばさがバットをもっていったときは、やっぱりそうなっちゃうかー、からの、えーー綾野剛がやるんかーーっていう。
家族やすべてを失って、最後に守ってあげたかったんだろうな。絶対にこの線は越えちゃダメだって体を張って。
ラストで一気にもってかれたなー。
(バットで殴り殺して、なんでその場で捕まってないのかは謎)
そもそもヤクザ映画が好きなのだが。
酒、女、金、暴力、薬、復讐の連鎖とかヤクザの基本はおさえつつ、アウトレイジとかとは違う社会派路線。
はー、次は綾野剛に俺んとここないか?って言われる人生がいいです。