◉ヤクザ映画は今まで数え切れないほど作られてきたけど、現代を反映したヤクザの盛衰、それも特に衰退を描いていたのは個人的に新鮮だった。時代の流れとともに変わりゆく社会の縮図、少しでも関わった者は「反社」という烙印を押され、一生 周りから指をさされ続ける。勿論「反社」を肯定している訳では無いけれど、“生き辛さ”という面では『すばらしき世界』にも通ずるものがあった。
◉《藤井道人》監督は『デイアンドナイト』然り、撮り方や映像美にも拘りが見受けられる。美しい映像美と共に描かれる容赦ないバイオレンスの光景に魅せられながら、何を想うでも無くただただ物語の行く末を見届けるのみ。
