時代に淘汰され老い散り行くヤクザとその大きすぎるカルマに身を滅ぼす男の一代記。
「ヤクザと警察」「一代記」「栄枯盛衰」
このキーワードで
「日本で一番悪い奴ら」を思い出した人は少なくないはず。
ドライでシニカル、M.スコセッシ的アングルのそれに比べて本作は、もっとセンチメンタル。
作中ずっと、悲しい旋律のオルゴールがかすかに鳴っているような雰囲気だった。
かと言って後味が悪い作品ではなく、
優しさと悲しみが夜の波のように
静かに静かに忍び寄っては
少しずつ少しずつ
砂のお城を崩していくような作品だったなと思う。
綾野剛の表情がとにかく素晴らしい。
悲しい顔が似合う。
そしてふとした瞬間、とてもあどけない表情になるのが本当に不思議。
天使が現実にいたらこんな顔かな?と思う
魅力的な俳優!!!