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キングダム2 遥かなる大地へのsenatsuのレビュー・感想・評価

3.8
心配してた程がっかりしなかったけど、期待してた程びっくりもしなかった。
戦闘シーンのCGのクオリティを心配したけど、不足なく、国内でしか展開できない厳しい予算内で素晴らしいクオリティだったと思う。

ただ、コマ割りや構図など、黄金率に届かずにもたついている感じがあった。

俳優のコスプレ頼りのキャラクターの顔アップばかりのコマ割りや演出は、新人漫画家のコマ割りを彷彿とさせて、サボってる感も…予算の関係か。

せっかくドキドキしてきた戦闘シーンの合間でも、それらがたくさん挟まれるため、緊張のピークまで到達できない。

全年齢対象にするためか、血もほぼなくて、戦争映画なのに目を背けたくなるような残虐さも足りなかったと思う。おかげで感情移入できない。

一番がっかりしたのは、一騎討ちの詳細を見せずに、生死が決まる瞬間に夕陽の映像に切り替えて、観客に丸投げするなど

かなり古めかしい処方も目立つ。
古いといえば、トランジションで横スクロールがでた時は、ダサさに吹き出しそうになった。

どこか古めかしい演出やテンポには、ハリウッド映画への卑屈さや、邦画の変な意地、縦社会で100%を目指せずに、上の顔色を伺い70%の妥協点を探るような国民性の悪い部分を感じる。

繋ぎ方や構成次第で、同じ素材でも、もっとカッコよく出来たと思う。

次回作の予告はかっこよかったので、削げば名作になるかもしれない。予告くらいのテンポで見たい。
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