綾

イングリッシュ・ペイシェントの綾のレビュー・感想・評価

5.0
午前十時の映画祭にて。
やっと観に行けた…!そして来年度の開催も本当にありがとうございます!嬉しい!🎊🎉

「地図のない世界へ」という言葉がずっしりと。国家、国境、国民。本当になんなんやろうね。今はとくに、考えてしまう。なんなんやろう。何人とか。どこの国の土地だとか。泣きたくなる。

この間、散歩しながらふと「ここが歩道であっちが車道、青が進めで赤が停まれ」というあたりまえのことがふしぎになった。そうした秩序やルールを生み出したのは私たち人間で、本来「車道」も「歩道」もない。ただ道があるだけ。ううん、道すらない。土が、地面が、広がっているだけ。そのことを、思い出した。

島国に生まれ育った私には、大陸での民族認識を肌で感じることはできない。でも、イングリッシュ・ペイシェントという題名に込められた意味に胸がつまる。

教会での壁画のシーンが素敵だった。もちろん洞窟も。「自分だけに感情があると思わないで」にははっとしたな。

最近読んだばかりの『戦争は女の顔をしていない』で、戦後に死ぬということの恐ろしさを何人もの方が語っていたのを思い出した。本当に、くやしいことだと思う。私には、とても想像つかないほど。

若かりしレイフ・ファインズとクリスティン・スコット・トーマスがあまりに美しかった……
綾