インドの教育問題に切り込むスタンダップコメディーで、このジャンルとしてはとても穏やかな語り口。しかもギターとハルモニウムの弾き語りが少しついてきます。歌はそこそこ上手い。言語は主に英語で少しヒンディー語が入っています。(そのほかのインドの言語が入っていたかどうかはわかりませんが多分あったとしてもごくわずかでしょう)
第一回目の配信作品を対象にしたフィルムフェア賞のノミネート作だったと知り、Netflixで日本語字幕がついていたので見てみましたが、なかなかよかったです。
かなり初っ端に「父はインド工科大学出身だが私は美術と音楽の学位を持っている」と言って観客の同情を集めましたが、これはインド特有の現象だとか。
工学部出身者が一番尊敬される国って、確かにあまりないですよね。芸術系の学部も家にゆとりがある人が行くところ、と思われている国が多いでしょうからなぜ同情を買うのかはちょっと不思議でした。インドだと生計を立てること自体難しい学科なのかしらん?
というわけで、親を非常に失望させた子供として自尊心について笑いを取るのですが、これを見るとインド特有の教育事情とインドの青春映画でなぜ自殺が社会問題として繰り返し取り上げられるのかよくわかります。
笑えるだけではなくかなりためになるコメディーでした。
ケニー・セバスチャンはキリスト教徒と共産主義者が多く教育レベルが高いケーララ州出身とのことです。