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マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙のliamのレビュー・感想・評価

3.3

元イギリス首相マーガレット・サッチャーの伝記映画。監督は「マンマミーア!」のフィリダ・ロイド。主演は「ファンタスティック Mr.FOX」のメリル・ストリープ。出演は「アーサー・クリスマスの大冒険」のジム・ブロードベント、「借りぐらしのアリエッティ」のオリヴィア・コールマン、「くるみ割り人形」のリチャード・E・グラントなど。

1979年、父の教えである質素倹約を掲げる保守党のマーガレット・サッチャー(メリル・ストリープ)が女性初のイギリス首相となる。“鉄の女”の異名を取るサッチャーは、財政赤字を解決し、フォークランド紛争に勝利し、国民から絶大なる支持を得ていた。しかし、彼女には誰にも見せていない孤独な別の顔があった。

これまでのサッチャーを描くのだけではなく、現在の認知症を発病しているサッチャーと交互にストーリーが進んでいく。
これまでサッチャーがどうやって政治家として歩んできたのかが分かる映画になっているので、歴史好きとしては嬉しい。
彼女がどれだけ強い女性だったのかこの映画から伝わってくる。

またどれだけ権力を得ても公私のバランスが取れていなければ寂しい人生になってしまう。そういう事を意識しているつくりになっていて、製作総指揮のキャメロン・マクラッケンも本作が権力と、権力のために支払う代価に関する映画だと述べている。

ただもう少し普通の伝記映画が観たかったのに現在パートが長いのでそこが残念。一般人でも起こり得るような彼女の今を映すのではなく、彼女ならではのエピソードをもっとふんだんにいれて構成して欲しかったというが正直なところ。

メリル・ストリープがサッチャーになりきって演じておりそれは素晴らしい。存在感がハンパじゃない。

彼女の演技を観ることに意味がある映画。
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