肉浪費Xアカウント復旧無理ぽ

テディの肉浪費Xアカウント復旧無理ぽのレビュー・感想・評価

テディ(2020年製作の映画)
3.0
「狼男」伝説の「モンスター映画」を期待するべからず、これは身分(教育)に引き裂かれるほろ苦ラブストーリーである
だとしても八つ当たりクズストーリーに「義」はおろか誰もいい気はしないわなぁ〜

言ってはなんだけど、今年(2022)MyFFFの一番フレンチ映画らしくてある意味ほっとしてるというか、特に日本人の感覚に通じにくいようなシュールかつゆるい"ブラックコメディ"の「B級映画」感覚でみれば愛着さえ湧こうというものw
毒が混じっているけど、主人公の家庭環境や展開のノリ全体に通ずるゆるい感じ好きなんですよw
MyFFFの過去のジョニー・デップ娘主演『獣たち』級の意味不明かつ浅い物語へととられがちの映画だと思います。

序文に示した通り、「狼男」から着想する"モンスターパニック"モノを想像すると返って批判的な目線で貶したくなる気持ちもわかりますが、これは"社会風刺"かつ恋愛を絡めた「青春映画」ですね。
公式等で"「狼男神話」の再解釈"みたいな事が書かれてるから、それこそ誤解を抱く原因になってますが、ただ「狼男」誕生秘話のクラシック映画から着想を得て自分なりの色付けをした映画って話なだけです。
"(モンスター)神話の再解釈"っていう線でいくなら『ボーダー 二つの世界』の方が前進の伝説映画があるわけではありませんが、リアリティは"真に迫る"解釈物語たり得ています。

なんでこんな安っぽい映画が!と思うかも知れませんが、実はこの映画、バイタリティ的には韓国映画『パラサイト』に通じるものがあるんですよw
"格差社会"は現代風刺において再度描かれがちの要素ですが、こちらは彼氏彼女関係での"教育過程での格差"、"社会身分の格付け"により破局する恋愛関係の事で、これを"個人"の問題と捉えるか"格差が拡がる連鎖"として「社会問題」と捉えるかでも映画そのものの評価が変わってきそうではあります。
まあ主人公のスタンスが"憎めない"クズなので無理に社会問題視するほどの映画か?と言われれば根強く反論しようと思わないからこの評価なんですけどw

そういう連綿と"蓄積したストレス"の爆発するラスト展開が『パラサイト』にも『ジョーカー』にも通じてしまうだけで、問題はそのストレス(軽視される弱者)の「代表者」に彼があるのか否か??
そこに説得力のある経緯や描写があるのなら"マイナスのカタルシス"として仄暗い光を放つ物語と化すわけですよ…