takanoひねもすのたり

シンプルな情熱のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

シンプルな情熱(2020年製作の映画)
3.2
不埒な目的で観に行きました。
情緒が振り切ったので、エロければ良い!それにセルゲイ・ポルーニンのエロい姿が見れる!それだけでいい!!!!(心の叫び)

てな感じで劇場へ。
しかし観ているうちに段々といたたまれない気持ちがデカくなり、エンディングに至るころにはすっかりフラットに戻っていました……。

離婚して息子と2人暮らし、仕事は大学で文学の教鞭をとっているエレーヌ。
あるパーティで出会ったロシアの外交員アレクサンドル(既婚)と不倫関係に落ちる。
彼への連絡はNG、逢瀬の連絡は彼から。
一方的な決め事を受け入れ、エレーヌはただ彼の訪いを待ち、彼との情事にのめり込んでゆくという話。

正直、ストーリーは単純です。
エレーヌがのめり込み、沼り過ぎ、彼の約束を破り、彼が一旦距離を取り、連絡のつかないエレーヌの狂乱とそれが治まったあとの気持の整理、そして久しぶりの再会と関係の精算。

セルゲイ・ポルーニンの演技はどうだったかというと台詞は少なく(寡黙なロシア男性を意識して演じたとのことです)登場シーンの8割は裸で致しているので、もうそこは!そこは!!!ものすっごごごごごごごごごごごく眼福でした!!!!!
横顔が美しい。
黒いシャツに黒いのロングコートのシルエットの美しさよ。

このセックス描写は……いい……つか、両手を抑える加減や、首筋から……、セルゲイさんの経験値……。
壁に押さえつけられて首筋からこう……(声にならない叫び)

ただ階段はーーーあれ大理石かなんかな気が。そこに押し倒したら背中が痛てぇって!!

そしてセルゲイのセルゲイがーー(2回)

そしてラスト、関係の精算の間際に、
最後に耳元で『いとしいひと』って囁くの反則!反則!すぎるーーーーーーー!!!!

念の為、監督は女性で、更にインティマシー・コーディネーターも入っていたそうなので、俳優さんには配慮された環境だったそう。

ただ物語はハーレクインロマンス的というか、巷に転がっている不倫界隈の頭がお花畑な母親の話とそう変わらず。

彼女には微妙な年頃の息子がいるのですが、不倫で頭が一杯のエレーナがいろいろやらかしてしまうため、ああ……母ちゃん色ボケで振り回される息子が不憫すぎる……ってもうそこで居たたまれなさったら無かったです。

原作はてっきりハーレクインだと思いきや、仏現代文学の旗手のひとりだそうで、うーん、うーん、フランソワーズ・サガンみたいなものなのでしょうか……。

女優さんの体当たりの演技は貶すところはありませんが、これセルゲイ・ポルーニンに注目が集まってしまうのは仕方ないかも。

仏版のアッパークラスの不倫事情を覗くにはいいかも知れません。
あとセルゲイ・ポルーニンの俳優としての一面を観たい方向けかなと。

セルゲイ・ポルーニンオーラは全開でした。