しゆ

アナザーラウンドのしゆのネタバレレビュー・内容・結末

アナザーラウンド(2020年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

メタルギアでおなじみの小島監督がTwitterで推してたので鑑賞。私は同監督のデス・ストランディングでマッツを知ったのでその流れもあって彼には一人の人間として興味があったし正直彼目当てで行きました(笑)
「血中アルコール濃度を常に0.05%に保つと仕事もプライベートもうまくいく」という理論の元、冴えないおっさん教師4人が実証してみる。授業は面白くなり家庭との関係も上手くいっていたが…といったあらすじ。前半はコメディっぽいけど後半は意外と重め。自分もやってみたいと思ったけどアルコール中毒になりそうだし欲望って尽きないものだから4人みたいにだんだん物足りなくなっていきそう。酒は飲んでも飲まれるなっていう格言を思い出した。全員が孤独じゃなかったのが救いだったけどトミー…「俺は大丈夫だ。自分でなんとかする」って最後の言葉があとからじわじわと胸に刺さる。
ド迫力のアクションシーンとかがあるわけではないので映画館で観なくてもいいのではという懸念もあったけど、グラスにワインを注ぐ音や生徒たちの合唱は心地良いし、何より全ての感情を爆発させるマッツのダンスはこのために劇場に行く価値があると言ってもいいほど。マッツ本人は役者になる前はダンサーとして活躍していたみたいなのでキレッキレで最高でした。何度も巻き戻して観たかった。あの千鳥足は少しくらい飲んでるかと思ってたけど撮影中はキャスト全員が全編飲酒NGだったらしい。さすがの演技力。
「この映画はお酒を飲むことじゃなく人生を謳歌すること、過去を懐かしんだり未来を期待するのではなく今をエンジョイすることを語っている」というマッツのインタビューがまさに核心を突いていると思う。飲酒については肯定も否定もせず、ただそれを伝えるための手段に過ぎないのが重要なんだろうな。
パンフレットでは静止画もカッコいいマッツや作中では明かされなかったトリビア、「アイダに捧ぐ」の意味が分かるので是非。
しゆ

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