KnightsofOdessa

ジュゼップ 戦場の画家のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ジュゼップ 戦場の画家(2020年製作の映画)
2.0
[ジュゼップ・バルトリの生き様を見る] 40点

以前ロバート・キャパのドキュメンタリー映画を観た際に、亡命したスペイン人がフランス南部のだだっ広い砂浜に建てた強制収容キャンプみたいなとこに押し込められている話が登場したのだが、あまりにも衝撃的すぎて忘れられなかった。本作品の物語のほとんどがその収容所で起こる。絵コンテをそのまま並べたような漫画的な運動の切り方にはセンスを感じなかったが、老人の記憶と思考が途切れながらも走り続けている様を映像にしたと思えば擁護できなくもない。ただ、そういうのって実際の人間でやるから面白いのであってアニメで今更やられてもという感じである。ジュゼップ・バルトリを救った一人の憲兵の視点で彼の半生が描かれているのだが、そもそも絵描きだからアニメにしようという発想が安直で、アニメ的な演出も真新しさに欠け、物悲しい物語との解離が上手く機能しているようには思えなかった。

カンヌレーベルはこれで半分くらい観たが、『本気のしるし』『Nadia, Butterfly』くらいしか傑作がないので期待するのはもう止めることにした。
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