ジュゼップ 戦場の画家の作品情報・感想・評価

「ジュゼップ 戦場の画家」に投稿された感想・評価

むつみ

むつみの感想・評価

4.7
シンドラーのリストみたいな痛いこわいって言うのは極力抑えられてるけど、ジュゼップの絵にぞくっとさせられました。
従軍画家の絵はよく見ているのですが、収容所で描かれた絵というのにはほとんど初めて触れたので生々しさが濃いなと思いました。
絵本が動いている感じや、音楽、上映時間すべてがしっくりはまって、最高の時間でした。。
tych

tychの感想・評価

3.8
ロードショウで観賞 JOSEP 2020年 アニメ 74分。フランス 年老いたセルジュが孫に語り聞かせる実際にあった物語。1939年 若き日のセルジュは強制収容所で憲兵をしていた。そこにはスペイン内戦を逃れてきた人々が劣悪な処遇・憲兵の嫌がらせに耐えて暮らしていた。中に絵の上手いジュゼップもいて セルジュは彼と親しく言葉を交わすようになり 紙と鉛筆を渡す等 力になる。優しいタッチで描き出される過酷なドラマに ジュゼップの真に迫る見事なスケッチが挿入される。、、戦後メキシコに渡ったジュゼップがあのフリーダ・カーロと愛の時間を過ごして幸せそうな姿が沁みた。
masaya

masayaの感想・評価

4.1
スペイン内戦に敗れ隣国フランスへ亡命した難民たちは、劣悪な強制収容所に収容される。その中でペンを握りデッサンを続けたジュゼップ・バルトリの物語。絵を描くことで正気を保ち、起きていることを伝える。極限状態にこそ芸術が役割を果たす。現代社会に通じるテーマ。
収容所での難民たちへの非人道的な扱いが描かれた時に敢えて映り込む「自由・平等・博愛 フランス万歳」のポスターが虚しい。素晴らしい思想、美しいスローガンも形骸化してはないのと同じ。
モノクロのクッキリとした線で描かれたデッサンは、対立する事象を分かつ越え難い壁の存在を見る者に知らしめる。怒り、糾弾の白と黒。そして戦後出会ったフリーダ・カーロによって「色を受け入れた時、あなたは恐怖を克服できる」と色彩を手に入れたジュゼップの新しい人生に救いを見た。生きてこそ。
insomnia

insomniaの感想・評価

3.8
とても良かった。
温かみのある絵が、残酷な描写を描いた時の恐ろしさと悲しさ。アニメーションは悲しみを描くには一番良い表現方法だと思える。最後の最後まで刺さる作品。
haizi

haiziの感想・評価

4.8
粗い線のアニメーションとスケッチで紡がれる、スペイン内戦からフランスに逃れたスペイン人画家ジュゼップとフランス人憲兵セルジュの物語。

こ。。。これは、刺さった---っ!!

昨今の綺麗な作画のアニメとは違って、BDのタンタンみたいな、ラフなクロッキーをそのままアニメーションにしたような作画。その粗さが絶妙。
そこに要所要所で差し込まれるジュゼップのスケッチが効果的で、その時にどんな凄惨なことが起きていたのかが容易にイメージできて、息が詰まる。
人間の身体の厚みとか肌触りとか、臭いとかが生々しく感じ取れるようだった。

私は歴史が苦手。。。
強制収容所って言ったらホロコーストと思っていたから、フランスにもあったのかとまずそれが驚き。
スペイン内戦の事とかのよくわからなくて、事前にもっと予習してから本作を観賞した方がよかったかなぁとちょっと後悔。。。

フランス人憲兵セルジュとお孫ちゃんのエピソードも粋で良かったなぁ。
お孫ちゃんが足を運んだ美術展で、鮮やかな色彩の乗った絵画を観た時はなんだか目頭が熱くなってしまった。

スペイン内戦の事とかおベンキョして再鑑賞したい作品。


ちょっと前にファンタスティックプラネットを観賞した時にも思ったんだけど、フランスのアニメーションはなんだかすごいなぁ!芸術品!!


嗚呼。。。
メキシコ行ってみたいなぁ。。。
メキシコのビーチでコロナビール呑みたい♪
実在の画家ジュゼップ・バルトリの人生を描いた長編アニメ。

知人による回想で語られる物語。

現代と過去を異なるタッチの作画で表現し、そこにジュゼップの絵も挿入するという斬新な試み。

独創性に長け、話のオチも見事にキメる、近年稀にみる傑作アニメだ。
ああこんなものを生み出す人々がいるのね、同じ世の中に。
一体何がこの創造を可能にするんでしょうか、どうしてできるんでしょうか。

この作品に限って思うことではないんだけども。

ずっと絵画を観ていたよう。絵と絵のつなぎ方、音の入れ方がなんと素敵なこと。
題材といい、色調といい、こんなアニメーションをもっと観たいなって個人的に。
ごま

ごまの感想・評価

4.0
大人になってから、アニメ映画を劇場で観るのは初めてのことだったけど、面白かったーー

強制収容所での過酷な暮らしの中、権力に屈せず、絵を描き続け発信しようとする姿勢にジャーナリズムを感じました。
あらゆる差別の歴史についてももっと知りたい!群集心理について勉強したい!!

それにしても、やっぱりいつかはスペインに行ってみたいな🇪🇸🥘
そして、最終的にはメキシコにも🇲🇽
アニメと言うよりは動く絵本。
フレームレートの少ないストップモーション紙芝居、
のようなイメージですかね。

現代で離れて暮らす身体の悪い祖父が
様子を見に訪ねた悩める若者に
飾られたある絵について戦時中の思い出を語る、
というスタイル。

僕はホロコーストが舞台だと思っていましたが
フランスで起きた、亡命スペイン人たちの
フランス人による収容所での虐待なんですね。

「トゥルーノース」よりも淡々としたタッチで
毎日の悲惨な出来事が描かれているので
ダメージは割と少ないです。

ただ穏やかなシーンもあったり
タンタンみたいなキャラデザも相まって
和んでしまうのは逆に勿体なかったかな。

それにしてもフランスのアニメーションは
日本の深夜アニメみたいに画一的じゃなくて
本当に素晴らしいですね。
ヨーク

ヨークの感想・評価

4.2
これはすげぇ良かったですね。素晴らしい。アニメーションっていいよなぁ…とつくづく思わされた映画だった。アニメ表現てまだまだ可能性あるよなって気付かされる。
まずざっとストーリーを解説すると本作はジュゼップ・バルトリというスペイン出身の画家の人生を追った伝記映画と言えるのだが、そのジュゼップが1939年にスペイン内戦から逃れて難民としてフランスに亡命するところから始まる。だが難民として南フランスにやってきた彼らはフランスの強制収容所に入れられてしまうんですよね。そして自由を夢見ながらも収容所の劣悪な環境下で飢えや寒さや病気に苦しむのだがあるときジュゼップは良心的というか素朴と言ってもいいような一人の憲兵と知り合い…というお話。
まずびっくりなのはフランコ政権下でのスペイン内戦で難民がいたのはともかく、フランスに亡命した彼らが強制収容所に叩きこまれていたということが全然知らなかったので衝撃だった。強制収容所という単語だけ見ればほとんどの人はまず悪名高いナチスのホロコースト施設を思い浮かべると思うがフランスにもそういう施設(無論フランスではナチスのような虐殺行為にまでは至ってはいないが)があったのだというのは意外でびっくりでしたね。監督のオーレルさんによると本作のスタッフでもその歴史的事実を知らなかった人が多かったらしいからフランス国内でもあまり触れたくはない黒歴史的な扱いを受けているのかもしれない。
で、本作はその非人道的であった難民の取り扱いを問題提起しながらもそういう運命に翻弄される一人の画家のお話であるのだが、その物語は上記したフランス人憲兵が年老いて孫に昔話として聞かせるという体で語られるのですよ。これが素晴らしい効果をもたらしていたと思う。というかその語り口ありきで全ての場面が構成された映画なんだろうな。というのも収容所の難民と憲兵という関係性がメインになりつつも、その二人の間には奇縁とも言えるような友情が芽生えて戦時下の強制収容所という灰色な舞台でもあるに関わらずに青春物語のような側面もある映画なんですよ。そしてさらに言えば今は老いさらばえてその昔話を孫に語る元憲兵はもう余命数カ月というような状況なのでぶっちゃけ記憶も曖昧でほとんど呆けてると言ってもいいような状況。それが映像としても活かされてるんですよ。
何がそんなにマッチングしているのかといえばこの映画、率直にアニメーションの原画枚数でいえば少ないんだよね。つまり画があんまり動かない。そして背景もぼんやりとしていて余白が多い。こういうのって日本の、よく言えば緻密で悪く言えばクソリアルなアニメに慣れた人からすれば手抜きだったり稚拙なアニメーションだと思われるかもしれない。実際に作画コストを省エネするための意図はあったのかもしれないが、でも上記したように本作が死期が間近な老人の昔語りなのだとすれば余白だらけのぼんやりした背景も動きの少ない人物の作画も全ては一人の老人の記憶の中の映像化だということで途端に説得力や実感のある映像になるんですよ。
『ファーザー』とか『レリック』とかも同じテーマの映画だったと思うけどこの『ジュゼップ』も曖昧な記憶の映像化という作品だと思うんだよ。だから動かない作画も白い背景も作品にとっては必要なものであるとしか思えない。そして人物や風景の像はぼやけて曖昧になっていくけれどそこにあった友情だけは色褪せないんだよな。
この物語を描くためにはアニメーションという表現しかありえなかっただろうし、その中でも非常に優れた演出が採用されていて素晴らしい完成度の映画だと思うね。
キャラクターも良くてお人よしの憲兵の善性とかメキシコでのフリーダ・カーロの描写とか凄くいい。正直俺はジュゼップ・バルトリという画家は知らなかったんだが凄く引き込まれたね。現代に戻ってのラストシーンの粋さもいいんだ、これが。
凄くいい映画で、特にアニメが好きな人には必見であろうと思う。機会があればもう一回観たい。
>|

あなたにおすすめの記事