羊の群れは丘を登る

FLEE フリーの羊の群れは丘を登るのネタバレレビュー・内容・結末

FLEE フリー(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

アフガニスタン🇦🇫で生まれ育ったアミンの過酷な実体験を匿名性を保持するためにアニメ化した作品。

 1980年代、アフガニスタン🇦🇫はソ連側の共産主義勢力とアメリカ🇺🇸やパキスタン🇵🇰が支援するムジャヒディン(後のタリバン)というイスラーム主義勢力の内戦になっていた。
 首都カブールは平穏を取りつつ、それこそ、アミンがA-haのTake On Meを聴く姿やヒジャブを着けず髪の毛を出す女性の姿から平和な感じがした。
 ところが、父親が共産政権当局に連行され行方不明になり、ソ連軍の撤退とともに、首都カブールにタリバンが迫り、アミンとその家族は故郷を脱出して、長兄のいるスウェーデン🇸🇪を目指す。

 滞在先のロシア🇷🇺の汚職警官のやり取り、出国密輸業者、強制送還となかなかスウェーデン🇸🇪に辿り着けない。
 家族がバラバラに渡航するけど、アミンが家族が死んだと偽って、デンマーク🇩🇰へ渡るところとかしんどかった。

 アミンはやがて家族と再会するんだけど、実はアミンはゲイであることが打ち明けられず、むしろゲイであることを病気だと思い、ヨーロッパの病院に行って治療すれば治ると思っていた葛藤があった。
 でも、長兄はアミンがゲイであることを気付いていて、まだ家族が理解してくれたのが救いだった。

 難民として、いろんな国を渡り歩き、ゲイであることから当然、タリバン政権のアフガニスタン🇦🇫に還れる訳もない。
 その後、アミンがパートナーと結婚して家を持つデンマーク🇩🇰が故郷として安住できる場所としてスタートすることになる。