どらこ

人数の町のどらこのレビュー・感想・評価

人数の町(2020年製作の映画)
3.5
よくある「〜ゲーム」系の量産型デスゲームかと思ったら、全然違った…

着眼点がよく、普通に面白かった。

戸籍を売る代わりに、衣食住が与えられ指定の範囲内なら自由に行動できる。
その施設に入所した人間は、名前が無くなり、その日から何者でない人間となる。
彼らの名前は全員無個性の「デュード」となる。

定期的に仕事をしなければいけないんだけど、その仕事も超楽。
特定のサービスに対する好意的なレビュー(サクラ)を延々と投稿したり、その逆で何かの悪口を書いたり、
選挙の投票のサクラをやったりデモを興じたり。


まさしくタイトルにもある通り「人数」をこなす仕事。
裏人材派遣的な内容。


いやぁ〜〜〜ありそう。こういう仕事。ってか間違いなくあるっしょ….
現実世界でもあるもん、「こいつら暇だな….」って時。

デモ参加しまくってる奴らとか延々とヤフーニュースでコメント投稿してる奴とか、
もしかしたら全員デュードなのかもしれんね...


無理やりフェンスを超えエリア外に行こうとすると、ガンツばりの脳内BGMが爆音で鳴り響き倒れてしまう。
裏技を使って外に出ても、戸籍がないので病院などの公共機関はもちろんのことあらゆるサービスが受けられない。
つまり詰み。

売った戸籍はブローカーが買取り、不法滞在の富裕層外国人や反社に渡されているのであろう…
実際に3.11の時、今まで行方不明者だった人が生存しているという事が避難所でわかり、
顔を確認しに行ったら全然違う中国人になっていた、という例もあるから戸籍は裏で売買されているのは事実。

自由とはなにか。深いテーマだった·····



最後あいつがチューター(監視員)になるわけだけど、逃亡した上に暴行もしたのにお咎めなしで出世したのはガチで謎。




部屋の番号札を渡す例のアレ、俺には誰も渡してくれないんだろうな…(血涙)
どらこ

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