煌びやかで、華やかで美しいという顔を持ちながら裏では吐き気を催す汚さを持つ、ロンドンという二面性のある街が舞台。
こういう過去にタイムスリップするような映画の中では珍しいタイプの
「自分は過去に干渉できず、出来事を追体験するだけ」というタイプ。
なので、自分の起こした行動で未来が変わるといった量産型映画ではない。
文字通りアートのような作品で、演出が凄く綺麗。
特にサンディと主人公が巧みに交差するシーンはまるでこっちも夢を見ている感覚になった
だがしかし···
ジャンルがホラーに分類されててどこがだよって思ってたけど見終わった後もホラーではなくね?というのが最初の感想。
60年代のロンドンのエモさを全開に押し出した切ない作品だと思い込んでたが、後半で全然違う方向になり困惑。
過去のロンドンの追体験を経て、サンディが成長したように自分も現実で成長していく的なのを当初想像していた。ありがちだけど。
前半は、現実では人間関係に疲れ私生活も上手くいかず憔悴しきっていた主人公だが、夢の世界ではサンディを自分に投影して華やかな生活をするという対比をしていた。
この前半の空気感が凄く良く、三丁目の夕日みたいな感じで「もうあの頃には戻れない」的なエモさが伝わってきた。
正直、あの儚い空気感を維持して感動系にした方が良かったと思う。
後半は無理やりホラーに持っていったというか、亡霊とかそういう霊要素を排除して人間関係のみのヒューマンドラマが見たかったんだよ·····
あのどんでん返しもなんというか「はぁ?」って感じ。そっちかよっていう。
ホラー方向にする為無理やり殺人を起こしたようにしか思えない。
あとはまあ、
エリーの入学した学校がキツすぎる。
陽キャとパリピしかいない上に最悪のルームメイト、会話はペラペラのマウントの取り合い。
まさに地獄のような学校。
あれコミュ症だと詰みじゃない·····?
あんな学校·····
引っ越した古民家は中々いい感じだが隣のフランス料理屋の青→白→赤の電飾がウザすぎるwww寝れねーだろあの光·····
下心丸出しの黒人クラスメートは思ったより良い奴だった。明らかに精神病の人間とは距離を置くのが普通なのにずっと献身的だった。
だけど「えっ、部屋行っていいの?!(ニチャア)」の笑顔は邪悪過ぎて通報モノだった。
前半が好きだった為に残念でしたわ