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はりぼてのboaaaaatのネタバレレビュー・内容・結末

はりぼて(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

オモコロの原宿さんの感想がおもしろそうだったから見たドキュメンタリー。
めちゃくちゃおもしろい。

そういえばそんなニュースあったよなとぼんやり思い出すくらいの富山の汚職事件、改めて知ったらめちゃくちゃやべー。

フリオチがもういいっていうくらい繰り返されるギャグっぽい作りに否応なく笑ってしまう。
特に前半。福岡に視察に行った行ってないのくだりのたぬきとかさー。行ってないてことないすかね?て質問もいい味。
砂沢・五百旗頭のナイスコンビ感。
だんだん話が進んでいって、情報開示請求の内容が役所内でリークされてしまっていることが明らかになったり、不正をしていない数少ない議員として議長になったあいつ(取材する側も裏切られたことがのちに明らかになる)が結局疑惑を明らかにしないまま議員を続けたり、明らかに不正をしていただろう議員がわけわかんない居直りで議員を続けたり、そういう議員が再当選してしまう=投票する有権者の無関心さとかで、だんだん笑いから、うすら寒トーンが濃くなっていく後半。
むしろ前半の3人の議員たちの単純な馬鹿っぽさを懐かしく感じられるくらいに混沌さと無力感が覆ってくる。
(とはいえ最初に不正が明らかになった議員が失踪後に戻ってきた時の、妻だか母親だかわかんないけど親族的な女性たちに囲まれてべそかきながら表に出てきた時の醜悪さもきつかった。幼児性っていうか、なんかやばい感じすごかった)

時間の経過とともにきっと取材を続ける当事者たちにもいろいろな思いがあったんだろうと推測される最後のくだり。そして最後に1人で取材をしていた女性記者の姿。
それでもこの映画が作られて公開されたってことには意味とか意義があるんだろうと思うし、この映画見て笑ってた自分自身が最悪でもフリオチの対象にならないようにしっかりしよ!と思った。




テネットの後に見たけど、規模とかやってることは違うけどどっちも映画っていう種類としておもしろい。記録がキーになることが共通してるなと思った。
記録といえば、情報開示請求のくだり、そもそも公民館の使用記録が破棄されてたらその時点で不正を証明することが難しくなってしまうので、公文書を廃棄することの罪深さとあり得なさも改めて感じたし、いまこの現状にぞっともした。
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