素晴らしい。スクリーンの中の観客と共に「Bravo!」と心の中で叫んでしまった。この作品、何が素晴らしいって、音源が全てジョアン.カルロス.マルティンスさん本人の演奏であるところです。
数ある楽器の中でピアノの音色が一番好きなわたしにとっては、彼の迫力に満ちた演奏は、どこまでも美しく心が潤いました。
当初クリント.イーストウッドも切望したというこの作品。"20世紀最高のバッハの演奏家"と称される、実在のピアニストを襲った不幸とその苦難を、不屈の精神で幾度も乗り越えていく物語。
何もない空気に花を与えるように
音楽は静寂に形を与える
大切なのは音符じゃない
聴く者の心を強くかき立てることだ
彼を育てた師匠のアドバイスが素晴らしく、心に響き渡りました。
若い頃の難曲の演奏も素晴らしいですが、その手前のHANONの超高速演奏、バッハのインベンションや終盤の不自由な手で弾く演奏にとても感動しました。
女性好きな彼の、意外な一面のエピソードなども描かれていますが、もしかすると彼は、もう少し慎重な性格だったら、違った人生になっていたのでは...と思いました。
バッハの曲が多いですが、ショパンやチャイコフスキーなどの演奏も聴けてよかったです。
苦難を乗り越えての演奏シーンは、たいへん迫力がありました。
俳優さんかご本人にそっくり!