前人未到の興行収入初動45億という怪物コンテンツ「鬼滅の刃」と同日に公開されたもう一つの鬼映画を皆さんご存知でしょうか?
ヒドイ、とにかくヒドイ。
個人的にどんな映画も楽しめると思っていました。
「ヌイグルマーZ」でも「阿修羅ガール」でも大川隆法映画でも楽しんで見られたのですが今作はヒドイ。
鬼と人間のハーフ 鬼瓦ももかは高校で青春を謳歌しようと映画製作に乗り出して……というお話です。
コメディなんですが上映時間の間1ミリも表情筋が動きませんでした。
主人公のももかが鬼であることを隠せている事がよくわかりません。
というか鬼である必要が全くないです。
怒ったら物壊したり、体育の授業で早く走る以外何かありました?
映画製作の中で何か活躍したりしないのには驚きました。
映画スタッフを集めていくくだりで団子を食わせて相手が「それではお供しましょう。」というシーンが続きますが、思わず舌打ちしてしまったくらいのクソダサシーンでした。
登場人物の好感度が異様に低いどころかクソ野郎ばかりで全く応援しようという気になりません。
板垣瑞生や桜田ひよりは主人公を苛めていた件は全く不問で仲間入りしているのはダメでしょう。
そして何より主人公のももかが最低最悪のクソ女です。
ラストに自分のコンプレックスを解消しつつ好きな男に告白する為に電源引っこ抜いて映画の上映を止めてアドリブで演じ始めるシーンで口アングリでした。
テメーのために映画作ってんじゃねえんだよ!と灰皿ぶつけるべきシーンです。
以上の様に異様に好感度の低い登場人物がスッカスカのドラマを演じ続けますが、恐ろしいことに上映時間はしっかり120分あります。
何が写っているかというと大阪の奥河内の商店街や伝統芸能や誰かわからない板前さんの作る豪華料理や大阪府知事の吉村さんの演説などがたっぷり詰め込まれています。
いわゆる地方創生映画というやつです。
よく邦画はセリフで内面を喋りすぎだと言いますが、主人公ももかが無言で楠木正成像を眺め続けて、やおら告白の覚悟を決めるシーンにはアバンギャルドすぎて意味がわからなかったです。
映像を前に生ライブや弁士、生アクションを演じる連鎖劇はさすがに映画祭から断られると思います。
ツッコミどころだらけのコメディながら笑いは全くなく舌打ちだけはしてしまう映画ですが鬼滅ブームに乗れるんでしょうか。
鬼殺隊が早く来てくんないかな〜と思い続けた120分でした。