たき

13月の女の子のたきのレビュー・感想・評価

13月の女の子(2020年製作の映画)
4.0
萩原みのり目当てで観ました。

JKはつくづくずるいよな、と思います。
制服姿で、全力疾走してるだけでエモくなるから。

なんでそんなチート能力を備えているのかというと、とにかく今の自分がいったい何者なのかわからないからなのではないかと邪推する次第です。
足元もおぼつかず、いつ何時崩れ落ちるか知れない危うさ。
でもそれはつまり同時に、その先には無限の可能性が広がっているということでもあるから。←別に男子でもいいじゃねえか。

自分が自分であることをどうしても認めてくれないもどかしさ。
どんなにここにいたいと叫んでも誰にも必要とされない絶望。
トロッコ問題って、社会のいたるところに潜んでますもんね。絡めてアイデンティティの崩壊を迫る構成がドストライクでした。

解決策はもうね、いつものアレなんですけども。
この先の不安も、自分自身への不信も、なにもかものみこむほどの「逢いたい」って、どんな気持ちなんでしょうな。
昔、確かに味わったことはあるはずなのですが、もう思い出せない。
くやしいやらせつないやら。だからこそ否応なく惹かれてしまう珠玉のおはなしでありました。

ちと気になるのは、浮間さんの存在ではありますが。
完全に一穂と巫女の器としてのアイデンティティしかないわけですが、彼女が幸せになる世界線も存在するのだと思いたいところであります。
なんせJKには無限の可能性がありますですから。←だからなんでJK限定なんだよ。
たき

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