ネットフリックスオリジナルと一口に言っても、「アイリッシュマン」のように最初からネットフリックス製作として作られているものもあれば、今作のように後から配信権を買っただけのものも両方あるようなので、少しややこしい。
ポーランド映画。初めてかもしれない。
今作を見る上で、まず前提として彼の国の大まかな政治状況は知っておいた方がいいかも。
私自身観終わってから調べたところ、現在ポーランドは「法と正義」という右派政党が政権を握っており、近代的な福祉国家を目標として、移民排斥や同性愛反対を主張する事で支持を得ているとのこと。なるほど。
今作は中盤から市長選をめぐるSNSでの中傷キャンペーンを軸に展開していく。
いやー中々変な映画。
単に自分の理解力が無いだけなのかもしれないが、小刻みなジャンプカット等で微妙に時制をずらしたりする編集は意図がつかめず少し分かりにくい部分もあった。
主人公の顔を写すカットがやたら多いのも特徴で、特に中盤から終盤にかけて、割と長めに表情だけを捉えたシーンがいくつかある。
この主人公役のマチェイ・ムシャウォウスキー(絶対名前覚えられない…)がなんとも言えない「良い」表情だったのでこの編集は中々良かった。
あとネットゲームやった事ないのでわからないけど、今ってあんなやり取りできるの?ちょっと面白かった。
終始主人公の「片想い」が話をややこしくしていってる気もしたが、単純なジャッジムービーにはせず、「ヘイトなんてロクなもんじゃないから辞めましょうね」という説教くさいオチにもしなかった点は好印象。
世界的に最早「左右の問題」は「上下の問題」と不可分なんだという事をあらためて。
まぁヘイターにしろソーシャルジャスティスウォリアーにしろ飛び込んできた情報へのリアクションは慎重にせねばと自戒。
関係ないけどバーのシーンで「千の風になって」のポーランド語バージョン?が流れてた。なぜ?