みどり

海辺の彼女たちのみどりのレビュー・感想・評価

海辺の彼女たち(2020年製作の映画)
3.9
2021/6/7

技能実習生として来日した若きベトナム人の3人
家族のためにも
そして将来の夢や希望のためにも
彼女たちは働く

慣れない地で重労働させられているものの
それに見合った給料は払われず…
ただ搾取されていた3人は
職場を逃げ出しブローカーを頼りに新たな場所へと行き着く

新しい仕事を得たのはよかったけれど
不法滞在になること、そして身分証もない
そんな時、体調を崩し仕事もままならなくなったフォンがあることを告げる

自分の体調の変化の理由が分かったが
それすらも素直に喜ぶことができない現状
身分証がないから病院に行っても診察してもらえない
生きていくためにと彼女が起こした行動には否定なんてできない


前半は2人が助けてくれる、支えになってくれるような光のように感じるけれど
少しずつ話が進み、フォンがこの映画の中心になってくると2人がとても遠く感じる
あんなに近くにいるのに遠いのだ
自分が4人目だったとして
あの近さにいても無力で何もできないことを思い知らされた気もした

搾取される側はもちろんのこと、
する側にはもっとなりたくない…

いつも当たり前のように食べている海産物もたくさんの人の思いがあり食卓に並ぶ
誰かの労働力が自分が生きることに繋がっている


見ながら、そして見終わった後も
どこかヒリヒリとしている
まだ1作品しか見れていないけれど
ダルデンヌっぽさを感じた




渡邊プロデューサーが地元の方ということもあり、前作見ていないのでこちらを鑑賞。
ぐっと考え込む作品はお久しぶり
…そのためちょっとやられた
見て見ぬ振りはできない現実問題
みどり

みどり