流浪の民、ノマドのお話。
職を失った果てにノマドになっているという悲しい背景がありつつもノマドとして過ごす日常に流れる景色はどれも美しい。
画面いっぱいに広がる荒野と空。思わず息を飲む。BGMも綺麗で美しい。良くありがちな組み合わせとも言えるが、映画館の大画面で見ることによってこその価値がある。むしろ映画館という"目の前の映像を見る"ことしかできないという制限がないと途中で見るのをやめてしまうかも。
引きのショットも多めで、人物を小さく映すことでまさしく自然の中では人間なんてとても小さな存在であることがわかる。
エンタメというには素朴であるし、アート映画というほど複雑で高尚なものでもないのかもしれない。でもこの映画にはこの映画のナチュラルな美しさがあってそれをとても感じることができた。
素朴でシンプルなため、コメディ映画とは違った意味で頭を空っぽにしてみられる。ただ画面に映る自然の美しさを浴びていればいい。そんな見方もありなんじゃないだろうか。