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ノマドランドのhasomoのレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
3.7
フランシス・マクドーマンが主演と言うことで、ずっと気になっていた作品‼︎

■感想
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①理想と現実
②それでもノマドを選ぶ
③終始静かな映画
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①理想と現実
現代のノマドとして生きる女性"ファーン"を通して、ノマド達の生活を描いたストーリー。車上生活者のリアルな生活を描かれており、ノマドとして生きることの現実を感じることができた。

定住場所を決めずに様々な現場労働を渡り歩く。一見、自由に見えるノマドとしての生活。しかし、過酷な労働で体にダメージが蓄積していき、安定しない収入で暮らす毎日。

何も知らないと"ノマドとして自由に生きる‼︎"と考えてしまうが、自由な反面、過酷な環境で生きていく必要があることを本作を通して感じることができた。


②それでもノマドを選ぶ
安定しない収入。過酷な労働環境。そんな状態でもファーンがノマドとして生きる道を選んだのは、ノマド生活を通して、普通の生活が物足りないと感じてしまった...と個人的に解釈。

作品内でファーンの姉が「あなたにとって、普通の生活が退屈なんでしょ」...とこのような発言あった。この発言の後、ファーンは否定するが、ファーンの姉や同じノマド仲間から定住場所を提供されても断固して拒否する。

不安定な中で安定した生活を提供されると普通は飛びつくはずだが、ファーンにとって、ノマドの生活は不安定ではあるが、ノマド同士の交流や道の場所を訪れることに刺激があり、いつの間にかノマドの生活が必要不可欠な要素になってしまったんだろうなと思った。

ノマドの過酷さを反映しつつも、ファーンを通して、ノマドとして生きる楽しさを提示している構成は、個人的には好みだった。


③終始静かな映画
意外だったのが、終始静かにストーリーが進んでいったこと。フランシス・マクドーマンと言えば、『スリー・ビルボード』のイメージが強いため『ノマドランド』も破茶滅茶感のある作品では?...と思っていたが、終始落ち着いた雰囲気。

ファーンが工場で働く姿、車上生活でノマド達と交流する姿、姉の家族と交流する姿など、セリフや音楽に盛り上がりを見せることなく、淡々と物語が進んでいく。

穏やかに進むストーリーやノマド同士の交流には、なぜか心が落ち着き穏やかな気分になることができた。恐らく好みが分かれる作品だと思うので、鑑賞前は期待値を合わせた方が良さそうと感じた。


■まとめ
凄く静か〜な作品だけど、内容はとてもリアル。現代ノマドのリアルな生活を知ると同時に魅力も感じることができた1作。
人生に悩む人におすすめの作品かも‼︎
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