回想シーンでご飯3杯いける

グンジャン・サクセナ -夢にはばたいて-の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

4.0
インド空軍初の女性パイロット、グンジャン・サクセナの苦悩と活躍を描いた実話ベースの映画。当初は劇場公開も予定していたようだが、新型コロナの影響で、急遽Netflixオリジナル作品として配信が決まったらしい。

少女時代から飛行機の操縦士に憧れていた彼女が、軍の士官学校に入学し、まだ女性差別が厳しかったインド軍の中で不当な扱いを受けながらも、持ち前の芯の強さと聡明な頭脳を武器に、夢を実現していく。

士官学校に入る前の彼女はスイーツが大好きでややぽっちゃり気味の少女だったが、入学資格を得るには体重制限を超えている事が分かり父親コーチの元でダイエットを遂行。個性を発揮した面接の受けも良く見事に試験を合格する。

しかし、彼女の苦労は軍に従事するようになってからも続く。保守的な男性軍人による不当な差別やいじめ。そもそも軍には女性用の更衣室やトイレさえない。何度も挫折しそうになりながらも、持ち味である機転を利かせて道を切り開いていく様子は、観ていて胸が熱くなる。

舞台は'99年のカルギル戦争当時という事で、インド映画としては珍しく、本格的な戦争シーンが入るのも特徴で、エンタメ性にも抜かりが無いインド映画らしく、かなり本格的だ。少女の成長物語として、女性の社会進出を描いた社会派ドラマとして、戦争映画として、全ての面で満足のいく作品である。

主演のジャーンヴィー・カプール(Filmarksでの表記は微妙に違う)は、「マダム・イン・ニューヨーク」の主演女優で、2018年に他界したシュリー・デーヴィーの娘なのだそう。どこか広瀬すずに似た風貌の持ち主で、日本人にも親しみやすい感じ。というわけで、もっと注目されても良いはずの作品。とりあえサムネイルを貼ってもらうようFilmarksにお願いしたけれど、どうなるか??