のこ

ピカソがピカソになるまでののこのレビュー・感想・評価

ピカソがピカソになるまで(2019年製作の映画)
4.7
映画館の大画面で美術を楽しむ「アート・オン・スクリーン」の1作
20世紀を代表する画家パブロ・ピカソに迫るドキュメンタリー✨ 
本日封切、期待通り、とても丁寧で分かりやすく😊
ピカソファンもピカソの名前くらいしか知らない人でも~
ピカソがピカソになるまで~💘
いかにして天才ピカソが誕生したかを突き詰めていく!!!
興味深い作品です😊 

1881年 スペインのマラガに生まれたピカソ
美術教師の父親はピカソが幼い時から絵の才能があると
見抜き~絵の基本を教える。そして
技術だけでなく 感動体験をさせる父親の方針には凄く共鳴を受けました! 
父親の先祖は元貴族 今の生活も中流階級で生活に余裕があったからでしょうね~😊
(子供の頃のわくわく感 心の高まり体験は将来の土台となって~ピカソの絵の表情は素晴らしく豊かな作品で
ここが原点でしょうね~)

スペインと言えば~闘牛!フラメンコ!ギター!
幼い頃から情熱の国の~身体の中から蠢く熱い思い闘い🔥 
心の内側へぐいぐい入って行くギターの音色🎸と情緒的メロディ🎵
生で感じさせたい父の思い 何回も闘牛場へ!
この子供頃の貴重な体験が後のピカソの土台となって!

ピカソ7歳の絵がびっくりするほど上手くて
13歳の時には 鳩の絵の技術精度が素晴らしく
本格的に絵の道へと目指そうと意気込むピカソ~✨
父親は13歳で追い越されたとショックを受け
ピカソは上級入学試験を突破!
才能をどんどん発揮していくが~
常に新しいものに興味を持ち 前向きなピカソにとって
古い教えの学校はだんだん行きたくなくなり~
マドリードにある プラド美術館の巨匠の絵に惹かれて何度も足を運ぶ!
(私もプラド美術館へ行った時には エルゴレゴ ベラスケス ゴヤなど重量感たっぷりの絵画に胸がときめきました~ピカソも同じ気持ちだったのかと嬉しく思いましたねw 
ここも土台となって後のキュビスムでの ベラスケスのラス・メニーナスの作品をアレンジしたピカソのアイディアにびっくりでした😊
ピカソは後にプラド美術館の館長になります。
私がプラドに行った時には青の時代の作品がずらりと並んでいてやって7ラッキーでしたがピカソ美術館も傍にあるのに~?
スペイン人のピカソが子供の頃からプラド美術館にどれだけ憧れていたのか~その心情が分かって天才ピカソだけど人間らしくて ファンです😊

スペインの画家はスペインでの活躍が通常のようでしたが
ピカソは新天地パリへと活躍の場を広げ
夜の11時から朝方5時くらいまで何枚もの絵を描き続け その絵を売って生活する~
社交場の華やかなパリでは昼間はそういうところに行って
人との交流をする 気が進まなくても生活のために~
今でいう営業をして^^ 夜はどんどん絵を描く! 
だからピカソの作品が多いのも頷けましたね!🔥

画家は繊細だから~
親友が自殺して亡くなった時のショックは大きく
心の闇を青色で描く~青の時代に突入して行くんですね
「青の時代」の集大成ともいえる「人生」の作品紹介がありますが~切なさが心に響きます。
(箱根のポーラ美術館で私が観た「海辺の母子像」は親友カサジェマスと過ごした学生時代思い出の海岸で 亡き友人へ祈りを捧げているような切ないピカソの作品が心に残ってます)
青の時代からやっと解放されて
色が蘇ったバラの時代~🌹
そしてアフリカの彫刻 特にお面に深く興味を持ち
新しいアイデア~
「アヴィニョンの娘たち」
斬新でインパクトあって~ピカソしか想像できなかった
作品!
現代絵画キュビスムに受け継がれていくこの技法^^
その後のキュビスムの有名な「ゲルニカ」の説明はほとんどなかったけど
絵画の基本を学んで、未来の才能が見えた少年期のビカソを本作で知ることが出来て良かったです。

ピカソは新しく~
父親と縁を切り 母の第一姓ピカソをとって
パブロ(洗礼名)・ピカソとなって
どんどん進化していく^^

本作は子供の頃 少年期が重点的で
とても入りやすいドキュメントになってます。
ご興味あればご覧ください。
★キュビスムのピカソが有名ですが 進化する前の普通の絵も
素晴らしく人物の顔の表情 質感 絵から伝わる雰囲気が胸にどんと
突き刺さってきます。
基本をしっかり学んで土台を作り そこから自由にさらにアンレンジして常に新しいチャレンジ ピカソの想像性 発想力 
絵画だけでなく詩の世界 舞台芸術など目に見えない美芸術への拘りに
偉大さを感じます✨
のこ

のこ