改名した三島こねこ

メトロポリス 完全復元版の改名した三島こねこのレビュー・感想・評価

メトロポリス 完全復元版(1926年製作の映画)
3.9
<概説>

100年後の世界は労働者階級と支配階級に二分された、完全なるディストピアと化していた。革命を試みる労働者階級。奸智によって弾圧を目論む支配階級。支配者の息子は両者の闘争を調停することはできるのか。フリッツ・ラングによるサイレントSF映画の頂点。

<感想>

サイレント映画は馬鹿にならないとこれまで散々学んだつもりでしたが、それでも尚侮っていたことを痛感しました。これを100年前の映画と無視することは出来ません。

瞠目するまでに壮大な舞台セット。

今もなお色褪せない前衛的なオープニング。

資本・共産の対立・融和を娯楽化したプロット。

そのどれもが未視聴時の期待を大きく超えてきます。製作事情や歴史的功績まで加味したならば、それこそ映画史の10指からは漏れない作品でしょう。

物語の意外性はさほどないかもしれませんが、それが問題にならないくらいの傑作でした。映画で最後に評価されるのはやはり映像ですね。