花俟良王

ノッティングヒルの洋菓子店の花俟良王のレビュー・感想・評価

3.0
ライトに雰囲気を楽しむにはいいかもしれない。とやかく言うのは野暮だろう。

と言うことは上っ面だけの浅い映画とも言えてしまう。

そもそもあの3人が疎遠で久しぶりに顔を合わせたみたいだが、サラの葬式は行われなかったのか?いやいや絶対参列する間柄でしょう。何も言及されず序盤から「?」が消えないまま話が進むけど「?」はどんどん増える。

肝心な店のオープンに宣伝を一切しなければ客は来ないのは当たり前だろう。サービス業従事者としては全く理解できない。孫娘がネットを駆使して…とか映画的展開にもならない。

移民の街として故郷の料理を扱うのはいいけど、これもネット無視で人から聞くのみ。人との触れ合いを描きたいのだろうが、この時代にネットで検索しないなんて考えられない。そして一夜漬けでお国の人が満足するものを作っちゃう。それは物作りをしてる人を馬鹿にしてないか?さらには日本の故郷の味が抹茶ミルクレープと決めつけられて、ようやくこの映画は雰囲気だけなんだなと諦めがついた。せめて人間関係の深掘りや、ワクワクする調理シーンでもあれば救われたのに…。

でも前向きな内容に救われる人もいるだろう。それだけで存在意義がある。深く考えない方がいいタイプの映画。
花俟良王

花俟良王