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ザ・フラッシュのBATIのレビュー・感想・評価

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)
4.0
公開時観てなかった「ザ・フラッシュ」を。これ賛否割れてたリアルタイムで観なくて良かったかもな。おかげで冷静に観れたし、とても楽しめた。エズラ・ミラーの気質がそのままバリーのキャラクターになっているところはヒリヒリヒヤヒヤするのだが、BTTF1-3を思いっきり踏襲した脚本と、「運命を受け入れる」もスパイダーマンNWHのような若干グロテスクな通過儀礼ではなく、大人としての成長として描けていたのではないだろうか。マルチバース展開も想像してたよりシンプルかつ交通整理も出来ていた。ヒーローたちのアクションがカッコいいのもそうだけど久しく見ないアッセンブルもあり満足度高い。

しかしマイケル・キートンカッコよかったねぇ!キートンブルース/バッツ出てきた瞬間、映画の主役乗っ取られた感あった。傷を縫いながらビジランテに戻った自分に充足を得ながら笑う顔!バットマン周りの美術もスコアもバートン版に準じてたし、ファンサービスとはいえ気合い入ってて嬉しかった。あとベンアフブルース/バッツもとてもいいんだよねぇ。もう一本くらいベンアフでやって欲しい。

マイケル・シャノンにアンチュ・トラウェが出てきたのも嬉しかった。サッシャ・カジェの活躍や台詞ももだと見たかったけどこれはジャスティス・リーグではなくフラッシュの映画だからしょうがないのかな。噂に聞く製作時のゴタゴタも観てる間は特に感じず、「分岐点」のシーンがテリー・ギリアムの「フィッシャー・キング」の騎士のようだったり、カーラが監禁されていた牢が「AKIRA」っぽかったり、最早古典となっている80年代作品の意匠が散りばめられつつよく咀嚼できていると感心した。

リリーススケジュールの短さがMCUは問題になってるけど、ドラマやってない分クォリティ下がってると思うことはなかったかな(シャザム!にブラック・アダム観てないからなんともではあるが)。むしろ「分岐点」の映像の豊かさが好感だった。どこまで冗談なのか本気なのか分からないところはウィークポイントではある。そこが気になる人は怒るだろうし、あんまり気にしなくなってる自分は所謂真剣なファンではないから適当に楽しめているのだと思う。
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