回想シーンでご飯3杯いける

ザ・フラッシュの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)
4.5
真っ当なコミック原作映画。動きが速すぎて時間を追い越してしまうヒーロー、フラッシュが主人公。彼の能力を活かしてDC初のマルチバース作品となっている。

マルチバースと言っても、本作での扱いは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」的なタイム・トラベルに、同作で語られている「時空の分岐」を加えた程度の、非常に分かり易いもの。SF的な構想やリアリティより、派手さと面白さを重視している。

同一人物の鉢合わせ等、レトロなタイムトラベル映画でお馴染みのコメディ要素もあるし、家族のドラマもある。新しさと懐かしさが同居する、SFコメディのお手本のような作品だ。

過去作品の扱いが浅いのは手抜きじゃなく、マニアとの距離を敢えて詰め過ぎず、新しい客層にも楽しめる作りにした結果だと思う。全体を通じて、一見さんを巻き込むサービス精神が旺盛。シリーズ過去作品の予習は必須ではない。映画らしい楽しさにどっぷり身を任せる事が出来る。