今年のインド映画祭はこれが最後の一本。
盛り沢山の上、知名度の高い映画もあまりなかったので、好きな役者さんが出ている映画を選んで見ていたが、これが大正解。
まさか保健相を演じるレーヴァティーさんのすっぴんを見られるとは!
2018年にケーララ州で流行したニパ・ウィルス感染症を制圧するまでの話だが、致死率こそ高いものの主に接触感染で広がっているので、コロナほどたちは悪くない。
で、インドでも教育レベルの高い州、自然体のマラヤラム語映画なので、あらゆることが淡々と理性的に進む。あと、軍が強いのでバイオテロの陰謀論が蔓延りやすいのもインドならではだけれど、その辺の対応もマラヤラム語映画(ほめてます)。
女性が重要な役職についているのも目立ちます。冷静な人も陰謀論の人もいた。
淡々としているけれど、政府関係の人たちのやりとりの描写はボリウッドの警察ものとかスパイものより面白かった。ノンフィクションだから当然かもですが。
登場人物の半分が医療関係者なので、英語が多く聞き取りも楽。
マラヤラム語映画は、他の言語圏のインド映画より出てくる人たちが真っ当で温かみがあるのがよいです。
難点は、男性の顔立ちが区別がつきにくいところと、ついコロナと比べてしまうことですね。
怖がらせるための映画では明らかにないので、鑑賞には問題なかったです。
ケーララ州はこの時の経験が生きたのか、つい先頃まではインドではいち早くコロナを制圧したと評判になっていました。最近また感染が増えてきたとのことです。
(すっぴんの州保健相 2020/10/16記)