JunichiOoya

天使/L’ANGE デジタルリマスター版のJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

4.0
9日に京都Lumen galleryで、10日に大阪シネヌーヴォで、2日続けて二館で見せていただいた。

多分京大西部講堂だったと思う、三十数年前に16ミリ版を見たのは。それ以来の再会。

ボカノウスキーのスチル写真、妻ミシェルの音楽、そして二人の創り出す映像。その三つの融合が幸福な結果を産んで、正に目と耳の保養をさせていただいた。
デジタルリマスターで再現された今作はかつて16ミリを見た時とはまるで違ったシャープな印象で、まずそこに驚く。

京町家を改装し、天井の梁を露出させたL umen gallery。高い天井に向かって維新派(若い人たちよ、維新の会ではありませんぞ、ゆめゆめお間違いなきよう!)が意匠を凝らしたあぶくが浮き上がって行くシネ・ヌーヴォ。この二つのスペースほど上映会場としてぴったりな場所はないんじゃないかしら。

実はLumenでは「音を大切にしたいから」という主宰の櫻井さんの意向で空調を絞っての上映だった。折りからの寒波だったし、古い町家故の隙間風という名の「強力自然換気装置」のせいもあって、それなりに寒かったのだが、作り手同様、見せる側も見る側も自然と気合の入る素晴らしい体験をさせていただいた。

一方のシネ・ヌーヴォは1月2日の初日に配給の水由章さんがお越しになって解説をしてくださったとのこと。櫻井さんのお話では、初めてこの映画に触れる人のことをイメージしてとてもわかりやすく詳細丁寧なお話でとても良かったとのこと。(音声だけでもアーカイブ出していただけないかしら?)

光と水と音、を浴びる64分の至福でありました。
JunichiOoya

JunichiOoya