真田ピロシキ

BLACKPINK ライトアップ・ザ・スカイの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

3.4
k-popにはあまり興味が持てないので(この手の音楽はどこの国であってもほとんど聞かない)書けることが少ないけど、BLACKPINKはAmazonで多少聴いたら結構楽しめてたし、練習生などのk-popシステムについてもプライムで韓国ドラマ『アイドルマスターKR』を見て知っていたのでこの映画で語られている内容がすんなりと入ってきた。『アイドルマスターKR』はフィルマが登録してくれないけど、ゲーム原作でありながら侮れない良質なアイドルドラマなので是非見てください。

本作はディープなk-popファンより自分のようなよく知らない人に向けられた作品のようで、メンバー一人一人のバックボーンが語られていてBLACKPINKに対しての理解が深まる。特徴的なのは韓国生まれ韓国育ちは一人しかいなくて、他はオーストラリア出身、ニュージーランド出身、タイ生まれとグローバルな事。因みにアイマスKRにもタイ人のメンバーがいてあのドラマはBLACKPINK旋風を予言していた?と言うよりはk-pop自体にそうした傾向があるという事なのでしょうか。k-popが他所の国からも集めようと呼びかけているのか、それとも他国から呼び寄せられるだけの引力を持ち合わせているのか。その辺は疎いので分からないが後者っぽい気がした。それでBLACKPINKの多国籍性と重ねてファンの方も様々な人達が映されて多様性を映画のテーマに出来ていて非常に今日的な題材だったと思う。国外に売り出すけど言葉は韓国語を通して受け入れられてるというのが英語圏至上の価値観に抗っていて良いよね。『パラサイト』と同様だ。

物足りないのは新しくて大ヒット中のグループなだけに上り調子な側面しか見られない点。こういうドキュメンタリーって下り坂の時も見てこその成功の輝きを感じるものと思うので、その点で若すぎる彼女らにはすごいなーとは思ったものの長尺のPVのようにも感じられてしまった。20年後にまた映画を撮られたら面白い。