九月

映画 太陽の子の九月のレビュー・感想・評価

映画 太陽の子(2021年製作の映画)
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戦いを終わらせるため戦い、ってよく描かれるけれど、戦っているのは何も戦線にいる人だけではないのだな、と思った。
核エネルギーを使った新型爆弾の開発に勤しむ主人公の石村修。周りから実験バカとも呼ばれるほどの彼は、研究を成功させたい一心。最初は、自分が作ろうとしているものは兵器で、たくさんの命を奪うことになる、というのは頭では分かってはいてもどこか実感がない様子だった。

そういえば昔は、小学校の授業で戦争について考えることがあったり、映画やアニメで観たりしていたものだが、最近は自国の戦争や平和について考えることはめっきり減っていたかもしれない。
原子の核分裂についてや、何のために戦争をしているのか、ということは簡潔に説明されていたし、戦時中を描いているとはいえ目を覆いたくなるような悲惨なシーンがたくさんあるわけでもなく、見やすかった。
今、観ることができて良かったと思う。

原子爆弾の研究に没頭する修、戦地へ向かう裕之、戦争が終わったら…と未来を見据える世津。三人が、若者だけで羽を伸ばそうと海に出かけるシーンで、この若者たちが生まれたのが別の時代だったらなぁ…と思うと同時に、
もし自分がこの時代に生まれていたら?原爆を先に完成させ落としたのが日本だったら?など、考えても答えのないことが頭に浮かぶ。
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