終戦記念日を前にして、以前から気になっていた本作を鑑賞。
科学は本来世の中を良くするために利用されるべきだが、世界を支配するための殺人兵器としても利用している人類はなんと利己的で横暴で未熟なんだろうと思わざるを得ない。
日本は世界で唯一原子爆弾を投下された国として、核兵器の脅威と核廃止を訴えているが、日本でも戦時中に原爆を作ろうと研究していた事実は、多くの人は知らないのではないか。
それにしても核の研究が学生中心だったり、物資が絶対的に不足していて国からの支援が全く感じられない中で、日本はどれだけ本気で原爆の開発を目指していたのかは分からなかった。(完成されなくて残念という訳では決してないが。)
自分たちがやらなくても、結局はよその国にやられるだけだと割り切っていても、実際に核が使用された広島の惨状を視察して影響の大きさに激しく畏れる。反面その圧倒的なパワーに魅了されている科学者もいる。研究して追求するのと実際に兵器として行使するのとは全く別次元の話として倫理観を持って対処して欲しい限り。
さて本作のストーリーとしては、戦争によって輝かしい青春時代を奪われた主演3人のそれぞれの立場からの戦争と自らの使命についての考察とみえる。2時間の中にコンパクトに収めるには間延びがあったり繋がりがよく分からないところもあったが、反戦のメッセージは伝わってくるので特に彼らと同年代の方たちは一度は見てもいいと思う。
出番は少ないが、田中裕子の母親役の演技が圧巻だった。
