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フェリチタ!のsayaのレビュー・感想・評価

フェリチタ!(2020年製作の映画)
3.9
設定から何から割とふわっとしている作品でした。
でも良い意味でフランス映画らしく、深みがあって所々の画も綺麗。

変わり者な両親と共に家主不在の家や車、船などでその日暮らしをして過ごすトミー。
そんな彼女の視点で夏休み最後の日から登校日の朝までを描いていく。

とにかくトミーが可愛くてずっと目が離せませんでした。
最初男の子かと思ったくらい中性的なお顔立ちで笑った顔がキュート(^^)

サスペンスを匂わせたと思ったら大した事じゃなかったり、ドキドキとほっこりの緩急があってテンポが良く、サクッと観れるのも良かったです。

とはいえイヤーマフを手放さず、考え込むように親でさえ入り込めない無音の世界に入り込み、宇宙飛行士の姿をしたイマジナリーフレンドと会話をするトミー。
こんな生活をしていて学校に行くのも夏休み明けの1日だけ。
その学校でさえあまり良い思いはしていない様子。

私がトミーの立場ならこんな生活は嫌だなと思うし、彼女の事が心配になってしまうような環境だけど、両親の愛だけはある。

ただ「フェリチタ」とはイタリア語で 「幸せ」っていう意味らしいです。
そう思うとこの " 普通じゃない " 家族にとってのそれを描いただけの話だったのかも。
これを言ったらおしまいなんだけど、幸せの形って人それぞれだもんねってやつ。

紆余曲折あってやっとの思いで迎えた登校日。
意を決して歩き出したろうに、あの瞬間トミーは何を思ったのか。
それでも満面の笑みで迎えたその後のラストシーンを見て、いくら人それぞれとは言えどトミーにとっての幸せってなんだろうと余計考え込んでしまいました。

普通家の柱なんかに子供の身長を測って書いたりするけど、トミーのパパは腕で測って、腕にタトゥーで身長描いてあるのイカしてた(^^)
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