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シャドウ・イン・クラウドのkitoのレビュー・感想・評価

シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)
3.2
航空物として映像的にはなかなか楽しいのだけど、最後まで喉に引っかかる魚の小骨のような"なんだコレ⁈"感はおさまらなかった。

主役のクロエ・グレース・モレッツ、何で観たっけと考えると「イコライザー」と「キック・アス」の二作品だけだった。でも、印象深い顔立ちはしっかり記憶に残っている。本作では上半身がかなりガッチリしているのに驚いた。

前半はクロエが機体下の狭い銃座に閉じ込められたままのソリッド・シチュエーションスリラーとなる。機長をはじめ機内にいる男性乗務員とインターホンでやりとりはするものの、当時の軍隊では当たり前だった男尊女卑のひどい言葉いじめに会う。しかし、決して屈しない彼女の強い姿勢はカッコいい。

ただ、観ている側も男性陣同様、謎に包まれた彼女の目的と化け物の正体がとにかく気になる。まさかの"夢オチ"の類の展開になったら、リモコンを投げつけないようにしなければとずっと考えていた。

後半は一転、銃座から脱出、普通なら狭いはずの機内だけれど銃座に比べたら広く感じる不思議。不時着するまでアクションの連続で良かったものの、不時着後どう展開するのやら、前半の伏線回収はちゃんとできるのかと不安は高まるばかり。

結局そもそも地上での展開なんてないまま、あっさり終わってしまい、拍子抜け。そのあまりのあっけなさにリモコンを投げつける気にもならず、でもまあ、いっかと思ってしまう、なんとも"へんてこりんな"映画だった。
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